ライブドア社の決算書を紐解くその3

職業会計人としてライブドア社の決算書の経緯を検証したいと思います。
個別貸借対照表の資本金・資本剰余金(百万円)、利益剰余金(百万円)は次の通りです。さらに事実を時系列に書いてみました。

■7期2002年9月期:6,560、465
■8期2003年9月期:10,991、822
2003年11月:2004年9月期の経常利益予想を2,043と公表した
2004年6月30日:2月から近鉄に買収提案していた。会見を開いて買収への“本気度”をアピールし、売名行為ではという憶測を否定した。
■9期2004年9月期:49,103、2,033
2004年11月2日:日本プロフェッショナル野球組織で審査小委員会が開催された。新球団は楽天と決まる。
2005年2月8日:ニッポン放送の大株主に躍り出て記者会見をした
■10期2005年9月期:176,654、2,779
2006年1月23日:ライブドア問題をめぐり、堀江社長ら4人が証取法違反容疑で逮捕された。

資本金・資本剰余金から短期間に資本市場より多くの資金を集めたことが分ります。上場廃止が多くの方に迷惑をかけたのも分ります。税引き後の利益の蓄積を表す利益剰余金のうち、粉飾額は幾らなのでしょうか?今後の検察側の陳述が注目されます。ご自分の企業をライブドア社に売却し、株式交換ライブドア社の株を持った方は今のところ大損をし、現金売却で現金をもらった方は損を免れました。



記:税理士・公認会計士・会計事務所の方への実務情報応援団:天野隆。579
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