特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入その4

財務省は2006年税制改正法律案を公表しました。実質的な一人会社の増税は、「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入」という正式名称になるようです。35条の2項は次の通りです。

「2 前項の特殊支配同族会社の基礎所得金額(当該事業年度開始の日前三年以内に開始した各事業年度又は各連結事業年度の所得の金額若しくは欠損金額又は第八十一条の十八第一項(連結法人税の個別帰属額の計算)に規定する個別所得金額若しくは個別欠損金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額をいう。)が政令で定める金額以下である事業年度その他政令で定める事業年度については、前項の規定は、適用しない。」

大綱では以下の通りです。
「(1)同族会社の業務を主宰する役員及びその同族関係者等が発行済株式の総数の90%以上の数の株式を有し、かつ、常務に従事する役員の過半数を占める場合等には、当該業務を主宰する役員に対して支給する給与のうち給与所得控除に相当する部分として計算される金額は、損金の額に算入しない。ただし、当該同族会社の所得等の金額(所得の金額と所得の金額の計算上損金の額に算入された当該給与の額の合計額)の直前3年以内に開始する事業年度における平均額が年800万円以下である場合及び当該平均額が年800万円超3,000万円以下であり、かつ、当該平均額に占める当該給与の額の割合が50%以下である場合は、本措置の適用を除外する。」

3つ目の除外は基礎所得金額が上記政令で定める金額以下の場合です。大綱によれば「当該同族会社の所得等の金額」でして、これが800万円です。法人所得と当該役員報酬の合計になります。欠損金額の処理は政令を見ないと分かりませんので、政令に注目が集まります。


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