2006年税制改正論議その5

2006年(平成18年)度の税制改正に関する答申が税制調査会から出されました。

9.納税環境整備
 税制に対する国民の信頼を確保するためには、制度のみならず、所得捕捉等の執行面においても適正・公平な課税の実現に努めるとともに、まじめな納税者の視点に立って制度を改善していく必要がある。
 公示制度については、第三者の監視による牽制的効果の発揮を目的として設けられたが、所期の目的外に利用されている面がある、犯罪や嫌がらせの誘発の原因となっている等、種々の指摘がなされている。また、これに加え、個人情報保護法の施行を契機に、国の行政機関が保有する情報について一層適正な取扱いが求められている。このような諸事情を踏まえ、公示制度は廃止すべきである。
 相続税の物納制度については、物納の許可基準が明確でない、手続に長期間を要するケースが見られる等の指摘があることを踏まえ、物納制度に対する信頼を確保するため、手続の明確化・迅速化等の観点から制度を整備すべきである。
 加算税制度については、近年のインターネット取引の急増等を背景に無申告事例が多発している状況等にかんがみ、申告秩序維持の観点からその割合を見直す必要がある。
 個人住民税については、徴収の効率化を図る観点から、所得税介護保険料と同様に、公的年金等からの特別徴収を速やかに実施する必要がある。

公示制度は個人情報保護法との関連で考えると誰しも納得がいくと思います。もちろんこれで業界的には大きな変化の波を浴びる方も出てきますが…
物納は迅速化しないと国が損をするということの気づきがあったようです。手続きの明確化・迅速化をどこまで明示できるかに注目が集まりそうです。
納税環境では、住民税は所得税と同時に徴収し後で分けるという制度を導入しますと税制改正も複雑化しないで済みそうです。国民の関心は全部で幾らというものですし、何回も払うと重税感があるもののようです。簡素化が望まれます。

記:税理士・公認会計士・会計事務所の方への実務情報応援団:天野隆。397。

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