会社法改正で変わる純資産の部の中身その5

いよいよ2006年5月1日から会社法が施行され、新しい決算書が登場します。そこで見慣れない勘定科目の性格を解説していこうと思います。たびたび出てくるとは思えませんが、知らないと恥ずかしいという視点でお付き合いください。

純資産の部の中の評価・換算差額等の4つについて触れてきました。
1.その他有価証券評価差額、
2.繰延ヘッジ損益、
3.土地再評価差額金、
4.為替換算調整勘定

これらの特徴はいづれ損益計算書を通らず、貸借対照表のみで開示されるものです。その結果株主資本ではなく、負債と株主資本の間に中間的に位置づけられるものです。「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準企業会計基準第5号(2005年12月9日企業会計基準委員会)」によれば、これらをここに表示するために、資本の部という名称を純資産の部にすることにしたそうです。

自己資本比率自己資本÷総資本)を返済不要の資本が総資本に占める割合という定義をすれば、分析上はこの評価・換算差額等は自己資本に入れないほうが適切であると思われます。理由は、あくまで貸借対照表の情報提供という側面の科目で、実現した損益ではないと考えるからです。


記:税理士・公認会計士・会計事務所の方への実務情報応援団:天野隆。544

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