少子化対策と税制改正。その2

2007年税制改正に向けて少子化対策税制改正が話題になっています。税制調査会総会(第44回)・基礎問題小委員会(第53回)石会長の記者会見の模様(平成18年5月12日(金)16:16〜16:33)が報告されています。

(記者) 今の関連ですけれども、税額控除が一つの流れということで、その場合はN分N乗ではなくて、やはり税額控除でということでいいんでしょうか。

(石会長) ちょっと今の話、税額控除か所得控除かという話と、N分N乗とか夫婦合算とかとはまた別な次元の話ですよ。従って、N分N乗という議論は課税単位の話ですね。そして課税単位の話でその方に行くなら、恐らく所得控除、税額控除含めて、どうやって様々なタイプの控除を見直すかという議論になりますからね。つまり個人単位でやるからいろいろな控除がくっついているだけですよ。だから、うやむやにしちゃうと全く次元が違っちゃいますから、がらっと局面が変わる。これも大きな議論ですが、議論してみたいと思っています。
□この記事の解説をします。N分N乗方式とは、フランスの税制にモデルがあります。所得税の課税単位は家族です。家族の所得を合算し、一定の家族除数(N)で割り、その結果の所得の累進税率を適用します。これがN分です。その税額に家族除数を乗じます。これがN乗です。今フランスでは家族除数は夫婦で2子供が一人だと0.5足して2.5、2人だと1足して3となります。子供が多くなりますと家族除数が増え税率が減少します。その結果家族除数を乗じても税額が減少ということになります。フランスは少子化対策で1981年3人以降の子女の除数を0.5から1に変更しました。


記:税理士・公認会計士・会計事務所の方への実務情報応援団:天野隆。672。
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