少子化対策と税制改正。その3

2007年税制改正に向けて少子化対策税制改正が話題になっています。税制調査会総会(第44回)・基礎問題小委員会(第53回)石会長の記者会見の模様(平成18年5月12日(金)16:16〜16:33)が報告されています。
(記者) 今、自民党なんかでN分N乗という際に彼らが議論しているのは、結局子育て支援の際に税額控除で行くのか、N分N乗で行くのかみたいな、選択肢的に…。

(石会長) そういう意味はあるでしょう。要するに税額控除とおっしゃっているのは個人ベースを前提にした税額控除か、それとも個人ベースをやめてN分N乗という世帯でやるのかという選択。それは恐らく議論としてはあるのでしょう。どっちが有効で、かつ過去の、これまでの日本の経緯からいって、課税単位を一挙に個人ベースから世帯ベースに移すときの利害について、それは議論しなければいけないでしょう。ただ、税調は伝統的には個人ベースの方が良いと思っていますからね。そこを逆転するにはどれだけ議論をしなければいけないのか、これから議論が始まるところですからいろいろやってみたいと思います。

(記者) そのN分N乗については今日の議論を聞いていても、かなり異論が税調の委員の中から強かったように思いますが。

(石会長) 異論が多いというのは、N分N乗で行くべきでないという意味ですか。

(記者) だったように思いますけれども。

(石会長) 今日の議論だけでは、賛成した人の方が少ないとは思いますけれども、もう少しデータなり情報なり出してもらって、フランスがやっていることで、あれがどれだけの効果があるのか、どれだけの煩瑣なことをやるのか等々を踏まえないといけないので簡単には言えません。今日の段階だけではお聞きの通りの方向ではないかと思っています。
□この記事を解説します。自民党と出てくるのは自民党税制調査会のことだと思われます。N分N乗に積極的と読めます。税調というのは石さんが会長をされている政府税制調査会のことです。ここでは低所得者に効果が及ばないため、少子化対策にならないという意見とも読めます。さてどうなるでしょうか?12月の税制改正大綱決定に向けて気になるところです。


記:税理士・公認会計士・会計事務所の方への実務情報応援団:天野隆。673。
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