会計2009年問題解決に向けて。その1

アメリカと欧州連合(EU)は2009年までに、米国会計基準国際会計基準を相互承認することで合意し、両基準の差異をなくす作業が民間レベルで進んでいます。その背景は金融には国境がなくなりつつあり、投資家が判断を下す際に、決算書が同じ基準で作成されていることが要求されるからです。世界の中で日本が孤立することを防ぐ意味で2009年に向けて動きがあります。

企業会計基準委員会(ASBJ)は2006年10月12日、「我が国会計基準の開発に関するプロジェクト計画について―EU による同等性評価等を視野に入れたコンバージェンスへの取組み―」と題する報告書を公表しました。

この報告書は、内外の関係者に対してコンバージェンスへの取組み状況等を明らかにすることを目的に、コンバージェンスに関わる会計基準等の開発プロジェクトを「プロジェクト計画表」としてまとめたものです。この報告書の「はじめに」には次のように書かれています。


企業会計基準委員会(ASBJ)は、高品質な会計基準への国際的なコンバージェンスは世界
各国の資本市場にとって便益になると考えており、そのような観点を踏まえて会計基準の開
発を行い、また、国際会計基準審議会(IASB)における国際会計基準IFRS)の開発に対し
て積極的に貢献するため、IASB の提案内容に対する意見発信や、IASB プロジェクトへのスタッフの参画等の活動を積極的に行っている。
このような基本方針に基づき、ASBJ は、日本基準とIFRS のコンバージェンスを最終目標と
するIASB との共同プロジェクトを2005 年3 月に開始した。この共同プロジェクトにおいて
は、ASBJ とIASB は日本基準とIFRS の差異を縮小させるべく積極的に議論を行い、その結果として、ASBJ は日本基準の改訂を加速化する形で取り組んでいる。
また、世界各国の会計基準設定主体とのより緊密な関係の構築を推進すべきとの考えから、
米国財務会計基準審議会(FASB)との定期協議を2006 年5 月から開始している。」


記:税理士・公認会計士・会計事務所の方への実務情報応援団:天野隆。720。
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