粉飾事件と監査法人の責任。その2

エンロン事件
2001−02年にアメリカで起きた大型粉飾決算事件がありました。エンロンは、電力・天然ガス・石油の先物取引で新分野を切り開き、90年代に急成長を遂げ、2000年には全米売上第7位の大企業になっていました。売上・利益ともに好調に見えた会社も実態は大赤字であったといいます。先物取引自己売買で失敗した取引を3000社もの非連結子会社を作って隠蔽する会計操作を長年続けてきた。こうした実態を社員が暴露して、空前の粉飾事件となりました。 2001年半ば頃から急速に業績を悪化させ、同年12月2日には、チャプター11(米連邦破産法11条)を適用して破綻しました。米国最大級の会計事務所アーサーアンダーセンと共謀の上、簿外で巨額の負債隠しを行っていたという不正会計事件でありました。
企業改革法サーベンス・オクスレー法=SOX法)はSOX法(Surbanes-Oxley法)と略称されています。この法律は、2001年のエンロン事件をはじめとする、当時続発していた各種の不正会計事件への対応策として、企業の財務報告に関わる内部統制を厳格化するため制定されたものであります。
このエンロン事件は各方面に甚大な影響を及ぼし、監査法人だったアーサーアンダーセンも倒産に追い込まれました。

アメリカの監査法人のあり方、監査のあり方、監査法人の業務範囲の制限等、大きな歴史上の転換点になりました。


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