税制改正増税時の配慮。その2

読売新聞の2006年11月28日の記事を紹介します。

自民党税制調査会津島雄二会長)が27日、公明党税調(井上義久会長)が28日にそれぞれ総会を開き、2007年度税制改正に向けた与党審議が本格的に始まる。約3週間の短期決戦となるが、証券優遇税制や消費税の取り扱いなどを巡り両党の主張に食い違いも表面化しており、調整が難航する可能性もある。

 焦点の一つは、証券優遇税制の取り扱いだ。上場株式の配当と譲渡益にかかる税率を、本来の20%から10%に軽減してきた制度が07年度中に期限を迎える。
 財界を有力な支持基盤とする自民党には、制度の延長論が少なくない。自民党税調の津島会長は、「制度の廃止は、株式市場への影響を十分見ていかなければならない」として、制度廃止前の駆け込み的な株売却で株価が急落する懸念などを指摘している。  これに対し、公明党は「(優遇税制の)役割は終わった」(井上税調会長)と、予定通り打ち切るべきだとしている。個人の中低所得層を重視する立場から、金持ち優遇との批判もある証券優遇税制の継続に否定的だ。

 昨年末の2006年度税制改正では、児童手当の拡充にあてる税財源として、たばこ税の増税を求めた公明党の主張が急きょ盛り込まれた。今年は中小企業対策として、非上場のオーナー企業の株式を相続した場合の相続税繰り延べなどを認めた「事業承継税制」の充実を強く求めており、与党協議は水面下で様々な駆け引きがありそうだ。

 自民、公明両党の税制調査会は、それぞれ11月27、28日の初総会の翌日から、党内の各部会が取りまとめた業界要望を聞くヒアリング作業に入る。12月初めごろに両党の税調幹部による与党税制協議会の初会合を開く方針だ。その後、断続的に両党で意見交換しながら、自民党税調が中心となって税目ごとに具体的な改正内容を詰める。両党税調は、臨時国会が閉会する2006年12月15日前の14日ごろに2007年度与党税制改正大綱を取りまとめたい考えだ。 』

ここでは審議の過程が明示されています。各部会からの要望を聞き、税目ごとに改正内容を煮詰めていきます。煮詰めている途中の議論が見えないのが通常です。


記:税理士・公認会計士・会計事務所の方への実務情報応援団:天野隆。760。
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